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体と心と環境に
優しい食術
よく噛んで食べる
提案します!「体と心と環境に優しい食術」

1.穀物(ごはん)を主食にする

2.塩(海の精)と火で調理する

3.一物全体を食べる

4.地と旬の産物を食べる

5.よく噛んで食べる

6.飲み物を控えめにする

7.発酵食品を常食する

8.感謝に満ちて楽しくいただく

9.陰陽の調和をはかる
 

5.よく噛んで食べる

〜しっかり噛めば少食スリム&ガン予防、記憶力アップ!!!〜


●早食いは食べ過ぎ、肥満の元!

 皆さんは一回の食事にどれくらい時間をかけていますか? 家事や子育て、あるいは仕事に忙しくて、食事に時間なんかかけていられないよ〜、という方も多いのでは。でも、その早食いが危険なんです。
 ヒトが食事を始めて「お腹がいっぱい」という感覚が起こるまでには、最低でも15〜20分かかります。これは、血糖値の上昇にそれだけ時間がかかるから。血糖値が上がって初めて、脳の視床下部にある満腹中枢に「お腹がいっぱい」という信号が送られるんです。だから、5分で食事を済ませているとカラダは満腹なのに、脳では満腹感がなく、すぐにまた食べてしまうことになり、カロリーオーバーで肥満の原因にもなります。早食いが肥満の元になるのはこういうワケなんですね。
 また、現代人は食事の量やカロリーは増えているのに、食事時間が短くなり、噛む回数も極端に減っているという調査があります(下表参照)。噛む回数が少なければ唾液の分泌も少なく、それだけ消化・分解に時間がかかり、胃腸の負担はますます増えていきます。 胃腸が弱く、生活習慣病が広がり、未病の不健康者が増えているのも、噛むことが減り、少食でなくなったことに起因するかもしれませんよね。


●噛むことでガンが予防できるって知っていました?!

 現在、日本人の死因の一位はガンですが、その原因となる発ガン性物質には食品添加物の殺菌剤AF-2、カビ毒のアフラトキシン、魚などの焼きコゲから取り出されるトリプP-1などが指摘されています。それらが口に入る可能性をゼロにするのはとても難しいです。

 ところが、これら多くの発ガン性物質の毒性が、唾液中に30秒ほど浸けるだけで、ほとんど消えてしまうことが、同志社大学の西岡一名誉教授の研究で明らかになりました。これは、唾液に含まれるペルオキシターゼやカタラーゼなど約15種類の酵素が活性酸素を消す働きをするためなんです。しっかり噛めば自分で毒消しができるんです。唾液の力ってスゴイですよねぇ!


 ●よく噛むほど、歯は丈夫、頭スッキリ! ぼけ防止にも!

 噛むことの効用はまだまだあります。
 まずは虫歯の予防。よく噛めば1日に1500cc分泌される唾液には、口の中を自浄する作用があります。また食物中の酸を中和する作用で、虫歯や歯周病の予防をしてくれます。さらに、唾液から浸透するカルシウム、フッ素による歯の修復(再石灰化)も虫歯の初期段階では行われているんです。
 また、よく噛むことは脳によい刺激を与えると言われています。これはよく噛むと、消化の働きをよくするコレシストキニンというホルモンが十二指腸で分泌されるのですが、これが脳内でも産出されます。そして、大脳の海馬に働きかけ、記憶力を高めたり、脳の働きを活性化してくれます。また、噛液中のパロチンは老化防止の働きをすると言われています。もちろん、噛んで顎をよく動かすことで、脳への血液量が増えて、脳全体の血液循環がよくなり、脳の老化防止や低下した脳の機能を回復する効果があるとも考えられています。


●よく噛むためのポイントは三つ

 噛むことの大切さが分かったら、よく噛むための準備をしましょう。
 1.食事の時間を確保しましょう! ひと口食べたら箸を置いてモグモグ。ひと口30回が目標です。よく噛んで食べると食事時間は長めになります。家族との楽しい団らんの時間も長くなります(それは困るなんて言わないでね!)。噛んでいるうちに満腹感が出てくるので少食で済みます。唾液もよく出て、胃腸への負担も軽減されて、良いことづくしです。
 2.噛みこたえのある食材を食べましょう! やわらかい精白された食物を減らして、噛みこたえのある玄米やフランスパン、麺もやや固ゆでにしましょう。おかずもゴボウなど食物繊維の多い食材が、活性酸素を減らす働きもしてくれて二重丸ですよ。食パンやお肉、ケーキでこれはできませんよね。
 3.歯の治療を! しっかり噛めないとツライですよね。よく噛むことで虫歯の予防にもなって、歯も丈夫になります。「健歯塩」もぜひ利用してくださいネ!

《参考図書》
日本咀嚼学会編『噛む効用』 日本教文社
正食協会編『噛み方健康法』 正食出版
西岡一監修『活性酸素に負けない本』 講談社


「噛む 子どものからだを育てバランス能力を高める 家庭栄養研究会編」(食べもの通信社より)

『しおのみち』2004年秋号掲載

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